12月3日(金)、学校祭が開催されました。
新型コロナウイルスの感染状況も落ち着きをみせ、1家族2名まで、3交代入れ替え制といった制限をさせていただきましたが、多くの保護者の皆様に御来校いただいたこと、本当によかったと思います。
小学部、中学部、高等部それぞれに、子どもたちが日頃から一生懸命作った作品を並べた出店が作られました。それから、絵や写真、立体作品の展示もありました。子どもたちが農場で一生懸命世話をした野菜や花も並んでいます。
生徒会長の放送を合図に、学校祭が始まります。
「いらっしゃい。いらっしゃい。」「一生懸命作りました。買ってください。」
売り子役、レジ係、いろんな役割の子どもたちが、元気にお客さんに声をかけます。
お客さんには保護者の方、それから販売役ではない子どもたち、先生たちもやってきました。事務室の人たちも仕事の合間に来てくれました。
小学部の子どもたちは、おうちの人と一緒に出店を回ったり作品の見学をしたりして、とてもうれしそうでした。
高等部の奥、21HRの教室では「マジックショー」が開かれました。トランプのマジックを見事に披露して、お客さんから大喝采をもらっていました。
大きな行事がなかなかできない昨今ですが、多くの人と交流し、日頃がんばって作ったものをいろんな人に買ってもらったり、自分も買って「ありがとう」と言われたりするという、とても大切な経験ができた一日でした。
学校の裏山に、広大なみかん畑が広がっています。

これは、ご近所の広瀬さんのみかん畑です。
広瀬さんは、60年間このみかん畑を大切に守り育ててきたそうです。
つまり、この学校ができるより先にみかん畑はここにありました。
学校ができてから、毎年、広瀬さんは子どもたちにみかん狩りをさせてくれました。
それは、26年にわたって続いています。

これは、広瀬さんが子どもたちのために育ててくださっているみかんの木です。
小学部の子どもたちでも、危険なくみかん狩りができる場所を提供してくださってきました。
ところが、ご高齢のため今年いっぱいでみかん畑をやめるとのこと。
ああ残念。そして、長年にわたり本当にありがとうございました。
これから12月にかけて、子どもたちが最後のみかん狩りをさせていただきます。

そして、子どもたちや先生は、広瀬さんには26年間の感謝を込めて、お手紙を書こうと準備を進めています。
阿南支援学校は、こんな暖かい地域の人々に支えられて子どもたちの教育を行ってきました。
これからも、地域の方たちとの交流を大切にしながら進んでいきます。
広瀬さん、本当にありがとうございました。
本日は、後期始業式でした。
学校では、感染予防対策として、オンラインも活用して学部ごとに別の場所で始業式を行いました。小学部は玄関ホール、中学部は体育館、高等部は各教室です。
校長や教頭は、小学部の会場でリアルに挨拶をします。その様子は、体育館や高等部教室に配信され、別々の場所で同時に式典を行いました。
やはり小学部の小さい子どもたちには、画面を見るよりも、目の前でお話をした方がわかりやすいのです。中学部や高等部になると、画面の中で行われる挨拶も落ち着いて聞くことができるようになります。成長の表れだと思います。
後期は、遠足や修学旅行、学校祭などの行事、そして高等部の人は大切な「就業体験」があります。
まだまだ、コロナ感染症には油断ができませんが、子どもたちみんなが元気で明るく学習を進めていけるように、精一杯努めたいと思います。
先週、すべての学部の「体育の日」を、無事開催することができました。
9月29日(水)高等部、9月30日(木)小学部、10月1日(金)中学部。
日々刻々と変わる新型コロナウイルスの感染状況を見るために、保護者の皆様の参観決定がギリギリとなってしまい、ご迷惑をおかけいたしました。
それぞれ平日にもかかわらず、多くのご家族に参観いただけたこと、本当にうれしく思います。
学部別の開催でしたので、小さい子が大きいお兄さんお姉さんの活躍を見るといったことはできませんでしたが、こぢんまりした中にも一人一人の子どもに合わせた活動ができる良さがあったと思います。
小学部低学年では、小さな子どもたちが、広い運動場の中で今自分がするべきことを一生懸命考えて、体を動かしている様子がよくわかりました。
小学部高学年では、これまでの運動会の経験の積み重ねによって、お兄さんお姉さんらしく競技に参加できるようになっているんだなと感じました。
中学部では、一人一人が自分の競技をがんばる中にも、友達と一緒に楽しんだり、協力したり、集団活動の力が少しずつ成長していることがわかりました。
高等部では、競技への取り組みの様子から、生徒たちが普段から授業に一生懸命取り組んでいることをうかがい知ることができ、とても頼もしく思いました。
保護者の皆様にも、それぞれの子どもたちが活躍する様子を見ていただけて、大変よかったと思います。これからも、できるだけ学校での活動を見ていただけるように工夫していきます。
不自由な開催ではありましたが、今後の参考となる内容もあった「体育の日」でした。来年度には「運動会」が復活することを祈りつつ、今年のこともしっかり反省して生かしていきたいと思います。
保護者の皆様、本当にありがとうございました。
9月に入りましたが、晴れている日は日差しがきつく、外にいるとやはり暑いです。
学校では、もうすぐ開かれる学部別の「体育の日」の練習が、いよいよ佳境に入ってきました。
昨日は、高等部。今日は、小学部の予行練習でした。明日は、中学部です。
高等部の予行練習には、開会式の練習もあり、元気な選手宣誓が見られました。その後の、生活基礎グループの競技練習では、先生と一緒にひもをくぐったり、カラーボールを拾い集めたり。きつい日差しの中でしたが、さすが高校生。ふだんの体育で培った力をしっかり発揮していました。
小学部の低学年の予行練習にも参加しました。みんなで、はらぺこあおむしに、たくさんえさをやりました。それから、かけっこ。小さい子たちが、一生懸命ゴールを目指して走りました。よくがんばりました。
引き続くコロナ禍により、学校の教育活動が制限される中ですが、いろいろな工夫で何とか子どもたちの楽しめる学習活動を行っていきたいと思います。
7月28日に、本校の体育館でビルメンテナンス技能検定が開催され、高等部の生徒たちも参加しました。
ビルメンテナンス技能検定は、部屋のほうきかけや、机ふきなど清掃に関する様々な技能をテストして、1~10級の級を認定してもらう検定です。
体育館に枠で仕切られたエリアが設置され、生徒が一人ずつ、決められた手順に従って自在ぼうきを使って清掃していきます。
はく順番や、確認の手順などは厳密に決められていて、生徒たちは間違えないように注意しながら清掃を進めます。
たぶん、緊張で頭は真っ白、手や体が勝手に動いているような感じなのでしょう。
技能検定は生徒たちにとって真剣勝負の場です。
一生の思い出に残る貴重な経験ができたことでしょう。
おつかれさま。
学校では、6月末から7月はじめにかけて、新任一、二年目の先生を中心に、研究授業がたくさんありました。
研究授業は、先生たちが
・子どもたちにどんな学習内容を、どのように教えるか、という授業計画
・実際の授業で、どんな教材・教具を使い、どのような声かけや支援をするかという指導技術
などを向上するために行います。
私も若い頃、たくさん研究授業をしたり、ほかの先生の授業を見たりした思い出があります。
研究授業は、校内のたくさんの先生方が見に来るので、授業をする先生も、受ける子どもたちもとても緊張する時間です。普段は元気に手を上げて発言したりする子も、ちょっとうつむいておとなしくなったり。
子どもたちが帰った後、先生たちが集まって授業研究会をします。授業のよかったところ、改善したらいいところや改善案などが話し合われます。
「先生の元気な声で明るい雰囲気だった」「教えたことが日常生活でもできるように、普段使うものを教材に取り入れては?」「生徒への質問を多くすると、考える機会が増える」
専門も経験も様々な先生たちから、前向きな意見がたくさん出されます。
授業をした先生にとっても、参加しているほかの先生にとっても、自分の指導技術を振り返ったり、向上させたりする大切な機会なのです。

現在、高等部は校内実習中です。
生徒たちが、自分の力を発揮して、清掃や園芸、造花など、様々な作業に取り組んでいます。
今年は、窓掃除に強力なツールが登場しました。長い柄のついたクモの巣取りです。
写真は、職員室の窓を一階から掃除しているところ。
生徒たちは、バランスをとりながら長い柄を操作して、窓枠をきれいに払っていきます。
職員室の窓は、何年もたまったクモの巣がいっぱい。なかなか掃除もできないし、どうするか困っていたところでした。
そして、下の写真のように、どんどんきれいになっていきました。
高等部の皆さん、本当にありがとうございました。

朝、子どもたちが登校する時間、できるだけたくさんの子に挨拶しようと、学校の玄関に陣取っています。
4月からできるだけ毎日、続けていますが、少しずつ子どもたちにも変化が見られてきました。
挨拶で一番大切なのは、アイコンタクトの瞬間です。
4月頃は、ほとんどの子が目を合わさずに通り過ぎていきました。
それでも、よく観察していると大概チラッと見るものです。それも~1~2メートル離れたところで。その瞬間を逃さず、「おはようございます」といいながらピョコンと頭を下げると、つられて頭を下げたり「おはようございます」といったりする子が出てきます。人間は、生まれつき「まね」をするようにプログラムされているので。
私は、これを打率みたいなものだと考えています。4月頃は1割にも満たない打率でしたが、今は3割ぐらい?
それも、自分から「おはよう」と言ってくれる子も出てきました。
いろんな場面で、子どもたちの変化が見られるのは、とてもうれしいものです。
今日は、校内巡回の途中で、小学部のムーブメントの授業に飛び入りさせてもらいました。
直径2メートルぐらいのムーブメントパラシュートを、子どもたちと先生が一緒に持って、ばたばた揺すったり、上下に振ったりして楽しく活動していました。
私も昔、こうしたムーブメントの授業を担当していたので、その当時を思い出しながら一緒にパラシュートを振りました。
ムーブメントの授業は不思議なもので、特に言葉で会話しなくても、みんなで楽しさを共有したり、心を合わせてパラシュートを揺すったりできます。
特別支援教育のとても大切なレパートリーの一つです。
校長の業務に、毎日の給食の検食があります。
これは法律で定められた手続きで、子どもたちが給食を食べる前に、異物や調理方法のチェックを行うものです。
毎日11時30分頃、給食室に給食を取りに行き、校長室まで持って帰って確認しながら食べます。
ある日、給食を持って廊下を歩いていると、高等部の生徒たちに会いました。
「あ、校長先生、先に給食食べるんですか」
「そう。みんなより先に食べて、おかしいところがないか確かめるんです」
「へー、そうなんですか」
子どもたちも、感心してくれたようでした。うれしい限りです。
今年は、予想外に梅雨入りが早く、屋外活動ができずに子どもたちも少し残念かもしれません。
さて、校長に着任して1ヶ月あまり。
できるだけ毎日、校内を歩いて子どもたちや先生たちの様子を見るようにしています。
はじめは、この人誰だろうと怪訝そうな顔で見ていた子どもたちも、毎日通っていると空気みたいな存在になるようです。先生方も同じ。時々だと緊張するようですが、毎日だと特別ではなくなるよう。
そんな中でも、私を見ると手を振ってくれたり、「校長先生」と声をかけてくれたりする子も出てきました。
うれしい限りです。
少しずつの働きかけを積み重ね、確実に変化を引き出していくというのが大切なのだと思う校内巡りでした。
新たに校長として着任いたしました、猪子秀太郎(いのこひでたろう)です。
3年前に、1年間教頭として勤めた阿南支援学校に、再び帰って来ました。
3年の間に、子供たちが立派に成長しているのを見て、とてもうれしく思います。
今、コロナウイルス感染拡大が大きく教育に影響を及ぼしており、徳島県も予断を許さない毎日が続いています。
何よりも健康と安全を第一に、そして、コロナに負けず楽しく充実した教育を実現することも大切に考えつつ、学校運営を進めていきたいと思います。
どうか、よろしくお願いいたします。